ブルターニュではキリスト教の信仰が篤く、日曜に教会に行く人がフランス一多いと言われています。ブルターニュ以外ではすたれてしまった日々の罪の許しを乞う祭り、「パルドン祭」も今なお盛んに行われています。
また、「聖堂囲い地」という教会のスタイルが見られるのも独特。
ブルターニュを旅すれば、十字架や教会が非常に多く、日々の暮らしに宗教が浸透していることが肌で感じられるでしょう。
カトリックの土地、ブルターニュ
ブルターニュのキリスト教は、ケルトの文化の影響を多大に受けており、多神教的な伝統があります。聖人の数も非常に多く、聖人がいろいろな痛みを治したり、希望をかなえてくれると信じられ、特定の職業を守護する聖人もいます。教会正面に守護聖人の像があるのはブルターニュだけです。
海辺の教会では、天井を見上げてみてください。船の形をした捧げものが吊り下げられていることがあります。エクス・ヴォトとよばれ、安全な航海を祈願したものです。

ブルターニュ西部では、教会堂、納骨堂、墓地、凱旋門、カルヴェールが石垣に囲まれていることから、「聖堂囲い地」と呼ばれる独特の宗教空間がしばしば見られます。
カルヴェール(写真下)とはキリストがエルサレム郊外のカルヴァリオで処刑されたことに因んでいるもので、教会内部に入ることを許されなかった貧しい人々にもわかるように素朴なタッチで、キリストの磔刑やキリストの一生、福音書の物語などを表した
石の彫刻群です。
いずれも16世紀から18世紀にかけて建てられたもの。聖堂囲い地は集落の中心にあり、ケルト的な死者への近づきを表す聖なる場所とされます。

アーサー王伝説の舞台
アーサー王伝説はヨーロッパで広く知られている伝説で、しばしば小説やオペラなどの題材に使われています。
フランスでは、吟遊詩人たちが語り継いできたこの物語を12世紀にクレティアン・ド・トロワが集大成し、アーサー王は中世騎士道の模範となりました。
アーサーは紀元500年ごろに実在したといわれる英雄で、サクソン人と戦って全イングランドとウェールズ、コーンウォールを治める権利を得た、とされます。エクスカリバーという名剣を鉄床から引き抜いたことで王に即位し、円卓の騎士たちを従えて、キリストが最
後の晩餐で使った聖杯を求めて波乱万丈の物語が展開します。
レンヌから40キロのパンポンの森は、アーサー王伝説の舞台のひとつ。物語に登場するブロセリアンドの森をしのぶことができます。魔法使いメルランや妖精ヴィヴィエンヌゆかりの場所があり、そぞろ歩くと物語の中に入り込んだような気分に浸れます。

巨石文明の故郷
ブルターニュには新石器時代から人類が住んだ痕跡があり、巨石文化遺跡が残る古い歴史を持つ地方として知られ、特にモルビアン県には多くの遺跡があります。
巨石の種類には、メンヒルやドルメン(テーブル状の遺
跡)、クロムレック(円形に並んだ巨石)などがあります。ドルメンは集団墓所といわれ、それを覆う塚はエジプトのピラミッドより千年も古いといいます。一定の方向に並べられた石の列は、宗教や太陰暦との関係が指摘されています。
ブルターニュ全体では6000のメンヒルと1000以上のドルメンがあるといわれ、私有地や道端に突然メンヒルが立っていて驚かされることがあります。
カルナックの遺跡が有名ですが、紀元前5000年のものだと言われる、高さ6メートル、長さ50メートルに積み上げられた石に抽象的な図柄が刻まれたガヴリニス島Ile de Gavrinis
の遺跡や、クロムレックが半分海に水没している遺跡など興味深い遺跡が数多くあります。

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